ジャングラー

 ジャングラーは常に瞬時の状況判断が求められる。例えば自分がジャングラーをやっていて、トップサイドで相手のジャングラーがガンクに寄ってきているのが見えたとしよう。トップにカウンターでガンクしにいくのが良いのか、あるいは、ボットにガンクをしにいくのが良いのか、ドラゴン前にピンクを刺してドラゴンをやるのが良いのか。選ぶことができる選択肢の中から最も良い選択を選び抜くことがジャングラーの仕事である。

 そう考えるとジャングラーは自らという資源をどのように配分するかという問題であることがわかる。このような問題は資源配分問題と呼ばれ、数理計画問題の一つである。このような問題はコンピュータで解くために様々なアルゴリズムが考案されており、定式化さえできれば解くのは難しくないことも多い。

 数理計画問題では制約条件(単に条件と考えればよい)のもとに目的関数(単に目的と考えればよい)を最大化(もしくは最小化)する。LoLの場合だと目的となるのは勝利である。だが勝利するためには何を最大化(もしくは最小化)すればよいのであろうか。勝つことはネクサスを破壊することである。強力なadアイテムを買ってオブジェクトをとるために、得られるゴールドを最大化すればよいのであろうか。だとすると1対1交換でも積極的に狙っていくべきなのか。多くの人はそれは場合によるからすべての場合において適切ではないと考えるだろう。だとすると相手チームとのゴールド差を最大化すればよいのか。ならば、25ゴールドしかもらえないドラゴンを狩るより、70ゴールドもらえるスカットラーを狩ったほうがよいのか。ここにaiのジャングラーをつくることの難しさがあると思う。目的関数が未知であるのだ。